2010年、自分の中から熱い気持ちが込み上げてきて「生命力を表現したい」と思うようになりました。ある日の夢に、木々が生い茂っている赤い稜線の山が出てきました。私は早速赤い稜線の山を絵に描き起こしました。そのようなきっかけで山や木に何らかの特別な気持ちを抱き始めたある日、散歩をしに家を出て近所を歩いていたところ、街路樹のプラタナスのデコボコした幹を見たとき、自分の中に衝撃が走りました。何の変哲もない木に途方もない何かを感じ、走って家に帰り紙に向かいました。それ以来樹木を描くようになり、自分の中の感情（喜び、悲しみ、安らぎ、痛み、など）を木に託して表現するようになりました。いろいろな大木を見て回るうちに、それぞれの木が持つ独特の雰囲気に魅せられ、この独特のものをどう表現したらいいのか、苦戦しました。木はそれぞれ役割があるように感じ、私に命の姿が多様であることを教えてくれているように感じます。一生のうちに描ききれないほどの題材に出会えたことに感謝し、制作に励みたいと思います。
長野市生まれ（長野市在住）
静岡文化芸術大学デザイン学部技術造形学科卒業